インテリアコーディネーターは独学合格できる?目安の勉強時間・勉強法まで解説
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インテリアコーディネーターの資格取得を目指す上で、独学は多くの人が検討する手段の1つです。独学は学習の自由度が高い一方で、高い自己管理能力が求められる点や勉強のための教材選びなど、いくつかハードルもあります。
ここでは独学でインテリアコーディネーターの資格を目指す際の戦略や教材の選び方、学習計画の立て方から具体的な勉強法まで詳しく解説します。
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インテリアコーディネーターは独学でも合格可能?
インテリアコーディネーター試験は、2023年の変更によって一次試験がマークシート方式からCBT方式に変わり、試験時間も従来の160分から120分へと変更になりました。またそれに伴い出題数も50問から36問へ変更されました。
しかし出題範囲や審査基準に変更はないため、試験内容を大まかに理解し、流れを把握することで得点を積み重ねることができます。二次試験では製図試験や論文試験が含まれ、これらは確かに難易度が高いですが、過去問を用いて時間内に図面と論文を完成させる練習を繰り返すことにより、必要なスキルを身につけることができます。
したがって、要点を押さえて独学を進めることができれば、試験の合格は充分に目指せます。
インテリアコーディネーターの合格率
インテリアコーディネーター試験の合格率は、2023年で24.9%と決して高くはありません。しかし、試験内容を冷静に分析すれば、独学での合格が十分に可能であることがわかります。
年度 | 合格率 |
2019 | 25.1% |
2020 | 24.1% |
2021 | 23.5% |
2022 | 24.5% |
2023 | 24.9% |
インテリアコーディネーター試験の合格率が低い主な理由として、一次試験の範囲の広さと専門用語の多さ、そして二次試験で製図とプレゼンテーションの能力が要求されることがあげられます。
合格基準は明確な数字で定められているわけではありませんが、一般的に一次試験で70~75%、二次試験では出された課題の約7割をクリアすることが求められています。
これらの要因が、試験の難易度を高めていると考えられます。
初心者に必要とされている勉強時間はおよそ300時間
インテリアコーディネーター試験に無事合格するためには、初学者の場合、300時間以上の学習時間を確保することが求められます。具体的には一次試験対策に200時間、二次試験対策に100時間を割り当てる必要があるとされています。
ただし、これはあくまで基本となる時間であり、個人の理解度や習得速度によっては、さらに多くの時間が必要となるケースも珍しくありません。
初心者が合格するために必要な勉強期間は8カ月程度
インテリアコーディネーター試験の合格を目指す初心者にとって、適切な勉強期間は約5ヶ月から10ヶ月とされています。ただし、これは1日に1〜2時間の学習時間をとることを基本としています。
この長期間にわたる勉強が必要とされる主な理由は、試験範囲の広さと、それに伴う膨大な暗記量にあります。
独学で資格取得を目指すメリット
インテリアコーディネーターの資格取得を目指す際、一人で勉強を進めることへ不安があるかもしれませんが独学のメリットも大きいと言えます。
資格取得にかかる出費を抑えられる
インテリアコーディネーター資格を独学で目指す最大のメリットは、出費を大幅に抑えられる点にあります。確かに参考書の購入費や受験料、模擬試験代など一定の経費はかかりますが、予備校や通信講座を活用する場合と比べれば、各段に低く抑えることが可能です。
特に、予備校を利用する場合には、授業料だけでなく交通費や設備利用料などの追加費用がかかることも珍しくありません。
自分のリズムで勉強できる
独学での資格取得は、自分のリズムで勉強を進めることができる大きなメリットを持っています。予備校の授業とは異なり、決められた時間に勉強する必要がなく、仕事や私生活で予期せぬ予定が入っても、自分の空いた時間を利用して効率よく学習を進めることが可能です。
また、自分のペースで学習することで、苦手な分野にはより多くの時間を割き、得意な分野はさらりと流すなど、勉強にメリハリをつけることができます。
独学で勉強を進めるにはデメリットもある
独学での資格取得には多くのメリットがありますが、成功に向けてはいくつかのデメリットがあることも認識しておく必要があります。
スケジュール管理が難しい
独学での資格取得を目指す際に直面する大きなデメリットの一つは、スケジュール管理の難しさです。自分自身で勉強計画を立てる際、実行不可能なほどの過密スケジュールを組んでしまったり、十分な演習時間を確保できずに不安を感じてしまうことが珍しくありません。
特に、インテリアコーディネーターのように試験範囲が広い資格の場合、多岐にわたる分野をカバーするための計画的なスケジュールが必要となります。計画にミスがあると、試験日までに必要な知識を網羅できず、不合格となる可能性があります。
苦手なポイントを消化しづらい
インテリアコーディネーター試験のように専門的な用語が多く出題される場合、独学で挑戦する方にとっては苦手なポイントを克服することが一つの大きな課題となります。
一人で学習を進める際、分らない点を自身で乗り越える必要がありますが、多くの人はわからない部分を放置しがちです。これが積み重なることでさらに苦手意識が強まり、結果的に試験の準備が滞ってしまいます。
スキルの習熟度の評価が難しい
独学でインテリアコーディネーターを目指していると自分の学習を誰かに見てもらうことがほぼないため、自分が試験で問われる知識を誤解することなく理解できているかの判断を自分で行う必要がありますが、この自己評価を学習者の段階で正確に行うことはかなり難しいと言えます。
特に、2次試験において求められる製図のスキルと論文のプレゼンテーションスキルが合格のラインに達しているかの判断が難しいでしょう。
したがって、独学の場合、2次試験で重視されるスキルを磨きにくい、またプレゼンテーションの経験を積むことができないという点が大きなデメリットとして感じられてしまいます。
途中で挫折してしまう
インテリアコーディネーター試験は、300時間以上の勉強時間を要し、試験範囲も広範囲に及ぶため、決して簡単に合格できる試験ではありません。
継続的な自己管理と自己啓発は、時に孤独な戦いであることが多く、予備校で得られる学習仲間の存在や、競争による刺激、励まし合いの機会がないため、途中で挫折してしまうリスクが高まります。
インテリアコーディネーターの独学はどんな人におすすめ?
ここではどのような人が独学でインテリアコーディネーター資格を取得するのに向いているのかを説明します。
インテリア系資格を持っている人
特に、インテリアデザイナーやインテリアプランナーなど、すでに何らかのインテリア系の資格を持っている人にはインテリアコーディネーター資格の独学での取得をおすすめできます。
このような人はインテリアの基本知識が十分に備わった状態から学習を始められるため、新しい知識の習得がスムーズに進み、学習過程での理解が格段に早まることが期待できます。
試験勉強が得意な人
高校入試や大学受験などでの試験勉強において高得点を取得してきた人は、インテリアコーディネーター試験においても同様に高いパフォーマンスを発揮できる可能性があります。
こうした経験を持つ人は、効率的な学習方法や試験での要点を捉える技術に長けており、それらのスキルを新たな挑戦であるインテリアコーディネーター試験の勉強にも応用できるためです。
独学で試験合格の経験がある人
他の資格試験や大学受験などで、過去に独学で成功を収めた経験がある人は、独学での学習における様々な課題やプレッシャーを克服する方法を知っています。これらの経験から、効率的なインプットの方法や、試験直前の緊張感といった精神的な挑戦に対処する術を身につけており、それが独学での新たな資格取得に向けた自信につながっています。
このように、一度でも独学での合格経験を持つ人は、学習計画の立て方や、自己管理の技術、そして精神的な強さなど、独学のハードルを乗り越えるための要素をすでに備えています。
独学時におすすめの勉強法
一人で勉強を進めるには様々な課題がつきものですが、効率的かつ計画的な勉強法を実践することで、独学のメリットを最大限に活かせるはずです。
1次試験では暗記で対応可能
インテリアコーディネーターの1次試験に向けた独学対策においては、まず何より知識の徹底的な暗記が重要となります。試験範囲を網羅するために、教科書を隅から隅まで一通り読み込み、基本的な知識をしっかりと頭に入れることから始めましょう。
その後、知識の定着を目指して過去問題を利用した演習を繰り返すことが効率的な学習プロセスとなります。
2次試験は論文と製図が鬼門なので注意
2次試験において、特に注意を払うべきは論文と製図のセクションです。この試験部分は、製図の技能と論文でのプレゼンテーション能力を要求され、特に製図には多くの時間を割くことが推奨されます。
効果的な学習方法としては、まずテキストを読み込みながら、専門的な図面を模倣する練習を重ねることが挙げられます。このプロセスを繰り返すことで、徐々に製図の感覚を掴むことができます。
一方で、論文に関しては、テキストをもとにした問題解決の練習を通じて、評価される要素を理解することが大切です。文章作成が苦手な場合は、正確な書き方を学ぶことも必要になります。
独学で挑戦する人におすすめの参考書
独学で資格試験に挑戦する際、最初に行うべきことの一つが参考書の選定です。どの参考書でも良いわけではなく、特に独学者にとって理解しやすさは選定基準の重要なポイントになります。そのため、他の受験者や専門サイトで推奨されている、容易に理解できる参考書を選ぶことが、学習効果を高めるうえで非常に有効です。
1次試験用と2次試験用の参考書にはそれぞれ焦点を当てるべき点が異なりますので、この記事では、それぞれの試験におすすめの参考書を紹介し、どのようにこれらを活用していくべきかについて解説していきます。
1次試験対策用のおすすめテキスト
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1次試験の準備に最適な参考書として「インテリアコーディネーター 1次試験 過去問題徹底研究 上・下巻」がおすすめです。
このテキストは、2023年からの試験形式変更に対応しており、著者は改定前の試験内容に対応する問題集において高い支持を得ている実績があります。特に、初学者が直面するであろう疑問点に対して、詳細な解説と豊富な図表を用いることで、理解しやすい構成になっている点が特徴です。
上巻で基礎知識を固め、下巻で応用問題に挑むことで、1次試験の内容を全面的にカバーすることができるでしょう。
2次試験対策用のおすすめテキスト
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2次試験対策において、製図部分で特におすすめするテキストは、「インテリアコーディネーター資格試験 はじめてのインテリア製図 合格する図面の書き方」です。
この参考書は、製図の初心者も安心して学べるよう、基礎から応用までを幅広くカバーしています。試験で要求される製図のスキルを身につけることができるよう、具体的な図面の描き方や製図に関する重要なルールを詳細に解説しています。
また、論文対策には、「インテリアコーディネーター2次試験 一番わかりやすい合格論文入門」がおすすめです。
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この参考書は論文試験のポイントをわかりやすく説明し、効率的な答案の作り方を指導しています。これらのテキストを利用することで、2次試験の大きな障壁である製図と論文の準備をしっかりと行うことができます。
より良い教材の選び方
良い教材を選ぶ際には、自分の現在の理解度や知識レベルに合った内容であるかを見極めることが非常に重要です。特に初学者の場合、過度に難解な教材を選ぶと、基本的な概念の理解を誤る可能性があります。そのため、学習を始める段階では、内容が明確で、基本的な概念から丁寧に解説されている教材を選択することが望ましいです。
また教材を選ぶ際には、レビューや評価を参考にしながら、その書籍が読みやすく、理解しやすいか、自分に合うものであるかどうかを確認することが大切です。
最新版を選ぶ
資格試験の勉強を効率的に進めるためには、教材選びにおいて最新版を選択することが非常に重要です。最新の情報が載った教材を使用することで試験内容の変更や最新の試験傾向に即した学習が可能となり、より効果的な試験対策を実施することができます。
同じシリーズのものを選ぶ
資格試験の学習を進める際、基本的には同一シリーズの教材を使用することが推奨されます。
異なるシリーズの教材を混在させてしまうと、内容の重複や欠落が生じるリスクがあります。また、教材によって説明のアプローチや解説スタイルが異なるため、一度は理解したと思われる概念や知識に対しても、混乱や誤解を招く可能性があります。
インテリアコーディネーター資格を取得するメリットは?
ここではインテリアコーディネーターの資格がなぜ価値を持つのか、資格を取得することでどのようなメリットが生じるのか説明します。
クライアントに信頼してもらえる
近年、自宅やオフィスなどの住空間に対するこだわりが強まり、それに伴い高い能力を持ったインテリアコーディネーターへの需要が増加しています。このような状況の中で、インテリアコーディネーターとして資格を保有していることは、自身の専門的な能力を客観的に示す証となります。
そのためクライアントに信用をアピールすることができ、同時に安心感も与えることができます。
就職・転職で活かせる
インテリアコーディネーターの職に就くには資格が必須ではないものの、資格を保有していることで就職や転職の際に大きなアドバンテージを持つことができます。また資格があることで、同じ職種を目指す無資格者との間に明確な差別化を図ることができます。
また、多くの企業では即戦力となるスタッフを求めており、資格保有者を優遇する傾向にあります。
日常生活の空間作りでも役立つ
インテリアコーディネーターの資格は、専門的なキャリアを築くだけでなく、日常生活の空間作りにおいても大いに役立ちます。この資格を通じて習得する知識や技術は、自宅や職場などの個人的な空間をより快適で美しくデザインする際の基礎となります。
さらに、インテリアコーディネーターとしての技能は、家族や友人の空間作りの相談に乗ることができるなど、人間関係の中でのコミュニケーションツールとしても機能します。
大学・短大・専門学校・通信講座のメリット・デメリット
インテリアコーディネーターの資格を目指すにあたり独学以外にも学習方法は多くあります。主に大学や短期大学などがその選択肢となります。
大学のメリット・デメリット
大学でインテリアコーディネーターの資格を勉強することは、インテリアデザインだけでなく、建築学など深い専門知識と広い視野を獲得できるという大きな利点があります。また、異なる背景を持つ学生との交流を通じて、多様な視点を学び、人脈を築く機会にも恵まれます。
一方で、大学での勉強は時間と経済的な投資が大きく、基本的には4年間の学習期間と高額な学費が必要となります。インテリアコーディネーターの資格の取得のみが目的であるならより短い期間で取得する方法を探す必要があるでしょう。
短大のメリット・デメリット
短期大学での学習は、専門的な知識と技能を比較的短い期間で習得できる点が大きな利点です。また、学費が4年制大学に比べて抑えられる傾向にあるため、経済的な負担も少なくなります。
しかし、短期間での集中的なカリキュラムは、学習する内容の深さに制限がある場合があり、広範囲にわたる知識を網羅的に学ぶことが難しいという側面もあります。また、短大卒業後のキャリアパスは、多様性に富んでいるとは言い難く、特に高度な専門職に就くためには、さらなる学習や資格取得が必要となることがあります。
専門学校のメリット・デメリット
専門学校は特定の職業に特化した教育を提供しており、インテリアデザインの基礎から応用まで、実践に即したカリキュラムが組まれています。このため、卒業時には即戦力として業界に入ることが可能となり、専門的な知識だけでなく、実際の仕事で必要とされる技術も習得できます。
しかし、学費が高額であることや、地域によっては希望する学校がない可能性もあるため、アクセスや経済的な側面から検討が必要です。
通信講座のメリット・デメリット
インテリアコーディネーターの資格を通信講座で勉強することで、生活スタイルに柔軟に対応できる利便性といったメリットがあります。特に忙しい日常を送る人や、地理的な制約で対面式の授業に参加しにくい人にとって、自宅や好きな場所で、自分のペースで学習を進められる点は大きな魅力です。
また、通信講座は予備校に通うよりも低コストで始められることが多く、経済的な負担を抑えつつ資格取得を目指せるという利点もあります。
特にハウジングインテリアカレッジのインテリアコーディネーター講座であれば、68,200円というリーズナブルな価格で専門家によるオンライン指導を受けることが可能です。
40年以上の指導実績も持つ講座で信頼度も十分なので、効率よくインテリアコーディネーターの試験対策を進めたい方はぜひ一度チェックしてみることをおすすめします。
インテリアコーディネーターの独学まとめ
インテリアコーディネーターの資格は独学でも合格が可能ですが、その過程は自己管理能力と適切な学習資料の選定に大きく依存します。不安が残る際には通信講座を利用するなどして効率的に学習を進めることをおすすめします。